ラストマイルの制約

ラストマイルの制約

24時間/365日稼働のネットワークを必要とするビジネスが増える中、「ひとつのことにすべてを投資する」ことはできません。「5 9s(99.999)」SLAを保証するMPLSでさえ、ラストマイルの可用性に苦難を強いられています。SD-WANは、大幅なコスト増を避けて、ラストマイルの稼働率を大幅に向上させます。

問題解決の初期の取り組み

ラストマイルの課題や制約を解決する初期の試みによる成果は限られていました。拠点全体の稼働率を高めるために、ネットワーク管理でMPLS接続とインターネットバックアップ接続が組み合わされていましたが、これではバックアップによって容量が浪費されます。また、フェイルオーバーにより、その時点のセッションがすべて失われるため、理想的なプロセスとはいえませんでした。

また、リンクボンディング(複数のラストマイルのリンクアグリゲーションへの転送サービス)が初期の別の試みでした。これにより、ラストマイルの帯域幅と冗長化が改善されましたが、ミドルマイルの帯域幅にはメリットがありませんでした。リンク層で機能するリンクボンディングは、それ自体はソフトウェア定義型ネットワーキングではありませんが、複数の転送を組み合わせるというコンセプトが今日のデジタルトランスフォーメーションのソリューションとして実証されているSD-WANへの道を開きました。

今日の問題解決方法

複数の転送や転送タイプを組み合わせるリンクボンディングのコンセプトをベースに、SD-WANは機能をスタックに移行して、このコンセプトを改善しています。SD-WANは、ラストマイルのアグリゲーションサービスにより、これをアプリケーションへの単一のパイプとして提供します。SD-WANは、異なる回線品質を補正し、サービスへのアクセス優先順位を設定し、さまざまなタイプの回線のアグリゲーションに伴うその他の課題に対処します。

Catoは、ポリシーベースのルーティング、ハイブリッドWANのサポート、アクティブ/アクティブリンク、パケットロスの軽減、QoS(アップストリームおよびダウンストリーム)など、複数の技術により、ラストマイルを最適化します。Catoはラストマイルだけでなく、ミドルマイルでもエンドツーエンドの最適化を提供して経路全体のスループットを最大限に高めます。アプリケーションのタイプやリンク品質に応じて、トラフィックの優先順位を設定し、アプリケーションに最適なリンクを動的に割り当てることで、高可用性、広帯域、性能のニーズに対応します。

Cato Socketは、物理的な拠点で展開する、ゼロタッチ対応SD-WANデバイスです。Cato Socketは、アクティブ/アクティブ構成の複数のインターネットリンクにより、容量を最大限に高め、4G/LTEリンクのフェイルオーバーをサポートし、個々のトラフィック最適化およびパケットロス排除アルゴリズムを適用します。

Alewijnse社ICTマネージャー、Willem-Jan Herckenrath氏は、単一のプラットフォームでの同社のネットワーク要件への Cato Cloudによる取り組みについて、次のように述べています。「MPLSによるラストマイルリンクをインターネットリンクに置き換えることに成功しました。全社にわたって高画質のビデオ会議システムと2Dおよび3D CADの当社のCitrixプラットフォームを維持しています。」

SD-WANが切り拓く未来

Cato Cloudの機能と特長が、MPLSの制約条件への対処やインターネットベース接続によるラストマイルの課題解決を促進し、稼働率、機動力、セキュリティ、可視化を高める可能性を広げます。大量の帯域幅を消費するアプリケーションやクラウドへの移行が、WANトランスフォーメーションのきっかけとなり、SD-WANがその未来を切り拓いています。

SD-WANに関するよくある質問

  • SD-WANとは?

    SD-WAN(ソフトウェア定義型広域ネットワーク)デバイスを企業の拠点にセットアップして、MPLS、LTE、ブロードバンドインターネットサービスなど、基盤となるあらゆる転送サービス全体にわたって、デバイス間に暗号化されたオーバーレイを構築できます。

  • SD-WANのメリット?

    帯域幅コストの削減:MPLSの帯域幅は、高額なコストがかかります。「ビット当たりの価格」で見ると、MPLSは公共のインターネットの帯域幅よりもかなり高額です。正確なコスト比較は、立地条件をはじめとするさまざまな変数によって異なります。MPLSは、単に帯域幅あたりのコストが大幅に高いだけではありません。MPLSリンクのプロビジョニングは、数週間から数ヵ月かかることが多いのに対し、同等のSD-WANの導入は多くの場合、数日で完了します。ビジネスにおいては「時は金なり」です。ボトルネックとなっているWANを排除することが大きな競争力につながります。
    公共のインターネットを信頼性の高いネットワークに転じる:アクティブ/アクティブ構成で実行される複数のデータサービスを使用して、拠点間を接続できます。ダウンタイム時にセッションを別の転送に切り替える、1秒未満のネットワークフェイルオーバーにより、アプリケーション中断を回避できます。
    安全な通信:暗号化された接続により、すべての転送にわたって、実行中のトラフィックを保護します。
    オンデマンドの帯域幅: 帯域幅を即座に増減して、重要なアプリケーションに必要な帯域幅を必要なときに確保できます。
    即時の拠点立ち上げ:MPLSでは数週間から数ヵ月かかる新しい拠点の立ち上げを、わずか数分で完了できます。SD-WANのノードは自動的に構成され、4G/LTEを使用してすぐに展開することができます。

  • SD-WANの採用を推進する主なトレンド?

    これまでは、マネージドMPLSサービスなどのレガシー通信事業者サービスを利用してネットワークが構築されてきました。これらのサービスはコストが高く、サービスを開始するまでに数週間から数ヵ月を要し、簡単な変更でもサービスプロバイダーのサービスが必要です。
    SD-WANは、このような状況から脱却し、ITネットワークにアジリティとコスト効率をもたらします。SD-WANは、複数のインターネット接続を利用して拠点間を接続し、暗号化されたオーバーレイでアグリゲーションを行います。オーバーレイのポリシー、AAR(アプリケーションを意識したルーティング)、動的リンク評価により、基盤となるインターネット接続の利用を最適化できます。

    最終的にSD-WANは、安価な公共のインターネットを利用して企業が必要とするセキュリティと可用性を提供し、適切なパフォーマンスと稼働率を実現します。

  • SD-WANの制限?

    グローバルバックボーンの欠如: SD-WANアプライアンスは、基盤となるネットワークインフラにセットアップされます。つまり、SD-WANアプライアンスだけではなく、パフォーマンスと信頼性の高いネットワークバックボーンも必要です。
    高度なセキュリティ機能の欠如: SD-WANアプライアンスは、最新のネットワーキングの多くのユースケースに対応していますが、セキュリティ要件には対応していません。このニーズを満たすために、多くの場合、さまざまなベンダー(CASBなど)のセキュリティおよびネットワークアプライアンスのパッチワーク管理が必要です。また、各アプライアンスを社内のIT部門やMSPが調達、プロビジョニング、管理する必要があるため、ネットワークのコストと複雑さが増します。
    テレワークをサポートしない: SD-WANアプライアンスは、拠点間の接続用に構築されています。SD-WANアプライアンスは、リモートワークの安全な接続には対応していません。